落葉の上生菓子

 

散りゆく木の葉も、散り落ちた木の葉も、いずれも落葉といいます。雨のようにパラパラと散る落葉、北風に吹かれ渦を巻く落葉、ふかふかの絨毯のように散り敷かれた落葉、川面を漂う落葉、水中に没した落葉など、いろいろな落葉の光景に出会います。桜が散る潔い美しさに比べ、枯葉が散る姿には儚い美しさを感じます。上生菓子としては、枯れ色に作られた煉切やこなし製の葉を二つに折って餡を包んだものが定番です。また、いろいろな葉っぱの紅葉・黄葉や枯葉をかたどり、錦玉羹の中に入れ固めたものも時折見かけます。菓銘としては、圧倒的に「落葉」が多いですが、様々な木の葉が風に吹かれ、ひとところに寄せ集められた様を表現した「吹き寄せ」という風流な銘も散見します。