雪の上生菓子

 

春の花、秋の月と並び、冬の雪は日本の自然美の代表格です。これら「雪月花」は、永遠不滅なものではなく、花は散り、月は欠け、雪は解け、消え去ってしまう儚さが日本人の心を捉えてきました。その点、芸術品にもかかわらず、生菓子であるがゆえにすぐに食べられ、消えてしまう上生菓子にも通じるものがあります。雪をお菓子で表現する際に最もよく用いられるのが氷餅です。その他、細かいふるいで裏ごしした白いそぼろや淡雪羹、極みじん粉、落雁粉、白砂糖、粉糖、オブラートの粉末など、職人さんの創意工夫でいろいろなものが雪に見立てられます。