梅は「百花の魁(さきがけ)」ともいわれ、春一番に開く花です。その凛とした花姿と高貴な香りが古来愛でられてきました。お菓子の主題としても人気で、製法・意匠ともにバラエティーに富んでいます。寒中に咲くため、雪との取り合わせも趣があります。銘もひとひねりあるものが多く、数ある異名にちなんだもの、梅の名所や故事、和歌に由来するものなど、その名前の奥に秘められた深い意味を味わうのも一興です。