南天は、読みが「難を転ずる」に通じることから、昔から厄除けや縁起物とされてきました。冬に鮮やかな赤い実をつける南天は、万両、千両、藪柑子などとともに、寂しい冬景色に彩りを添えてくれます。上生菓子の意匠としては、煉切や羊羹製の玉を緑の葉形やきんとんの上に配したものが定番です。加えて、氷餅や白いそぼろ、淡雪羹を散らすことで、雪の風情を出すこともあります。