草かんむりに秋と書く萩は、秋の草の代表であり、秋の七草のひとつでもあります。萩は万葉集で一番多く詠まれた植物で、奈良時代に花見と言えば桜ではなく、萩や梅を見に行くことでした。お菓子としては、こぼれるように咲く、あるいはこぼれるように散り落ちる萩の小花をみじん粉や荒粉で描くのが定番です。銘としては、「こぼれ萩」が人気ですが、そのほか、萩の名所「宮城野」や平安京内裏宮殿の一室の名前にちなんだ「萩の戸」などもあります。