木へんに春と書くように、椿は春を呼ぶ花です。万葉集のころから歌にも詠まれ、日本人に親しまれてきました。艶やかな肉厚の葉の中に真紅の花を咲かせる典型的な藪椿のほかに、八重咲や白椿、雪椿などの種類もあります。お菓子としては、手技や木型でその花姿をかたどったものが多いですが、梅や桜などと比較すると、やや意匠の変化に乏しい傾向があります。