柳は芽吹いてから間もない頃の瑞々しい緑が特に美しい。桜の開花と柳の芽吹きの時期が重なるため、ピンクと新緑のコントラストもまた素晴らしく、上生菓子においても、紅と緑の二色のそぼろを半分ずつ植え付けた意匠をよく見かけます。菓銘でよく使われる「青柳」とは葉が青々としてきた頃の柳を指します。
また、茶道における床飾りの「結び柳」(柳の枝をたわめ曲げて輪に結んだもの)が上生菓子の題材に使われることがあります。これは、柳の枝がしなやかでよく曲がるので輪とし、無事に回転して帰れるように旅中の平安を祈る意味があるといいます。