わかあゆ(若鮎)

 

「若鮎」とは、小麦粉、卵、砂糖を配合した生地を楕円形に広げて焼き、求肥を包み、半月形に折り、焼印で目やひれなどの焼き目をつけ、鮎の姿を写した和菓子のことです。6月の鮎の解禁にあわせて売り出されます。 

 

菓銘は「若あゆ(若鮎、わかあゆ)」と付けられることが多いですが、単に「あゆ」、「登り鮎」、「鮎焼き(あゆやき)」、「焼鮎」などといった名前もあります。 

 

京都の夏を代表する銘菓のひとつで、京都が発祥だという説もありますが、岐阜県が発祥とするものもあり、はっきりしません。 

 

今や全国区になったお菓子で、鮎もほぼ日本全国の川に住む魚なので、それぞれの地域の和菓子屋さんが地元の川で泳ぐ鮎をイメージしてつくるのが理想形でしょう。

 

例えば、京都なら保津川の鮎、岐阜なら、鵜飼で有名な長良川の鮎、熊本は球磨川、徳島は吉野川、高知は四万十川、岡山は高梁川、和歌山は有田川や日高川、奈良は吉野川、静岡は狩野川、神奈川は酒匂川などというように。 

 

カステラ生地に焼印で鮎の姿を描くのは全国ほぼ共通ですが、中身は地域によりバリエーションがあります。 

 

京都や岐阜などでは求肥のみを入れますが、関東では求肥と餡が入っていることが多いようです。また、変わり種では味噌餡や胡麻餡、栗餡、抹茶餡などのはいったものもあるようです。