煉切(ねりきり)とは、煉(ね)り物の一種で別名上生菓子ともいわれる、和菓子の代表的なお菓子です。「煉切」の呼称は、火を加えて原材料を煉り合せ、完成した生地にして切り分ける工程からきています。
白あんに砂糖を加え火にかけてよく煉り、つなぎにみじん粉、求肥、薯蕷などを加えて作った生地を煉切餡といいます。たとえば、有名な和菓子店「とらや」では、つなぎとして求肥を使っています。
適度なやわらかさと粘度があり、これをいろいろな形に彫刻した木型に押し付けたり、竹べらや布巾などの小道具を利用して手で整形して細工を施し、食紅やクチナシなどの食用色素で彩色して、造形的な美しさを出します。
季節の草花や蝶、時には渓流や山など、様々なものを表現して形どる 「煉切」 は、味わって美味しいことは勿論ですが、視覚による楽しみがあるのが特徴です。古くから祝儀や茶の湯の菓子として用いられてきました。
木型で押しぬいた煉切と木型
手で整形し細工を施した煉切
布巾を使って茶巾絞りに仕立てた煉切