「花むくげ(はなむくげ)」葛製:鶴屋吉信
紅餡に一部分白餡を付け、葛で包み茶巾絞り仕立てにし、黄色いこなし製のしべを添え、木槿(むくげ)の花を写したお菓子です。
「炉には椿、風炉には木槿」といわれ、木槿は夏のお茶席の代表花とされています。
夜明け前に開き、夕方になるとしぼんでしまう一日花ですが、別の花が次々に開くため、ずっと同じ花が咲き続けているように感じられますよね。
花の中心部の燃え上がるような赤と、元気よくそそり立つ黄色いシベが夏らしい佇まいなのに対し、やわらかなウエーブを描く花びらは涼やかで、爽快感があふれています。
そんな木槿のフレッシュな美しさが、葛の素材を生かして見事に表現されていますね。