「いちじく餅(いちじくもち)」道明寺製:花ごろも
白餡ベースのいちじく餡を道明寺で包みまるめ、その上に干しいちじくの蜜煮を添えたお菓子です。
真っ白い道明寺と、キャラメル色のいちじくのコントラスト、餡の中に星のように散らばった粒つぶが美しいですね。
いちじくは俳句の世界では秋の季語になっていますが、旬は7~10月で、収穫時期は夏と秋の2回あります。
一ヶ月で熟すとか、一日に一果ずつ熟すことから「一熟(いちじゅく)」と呼ばれ、それがなまって「いちじく」になったといわれています。
また、花を咲かせずに実をつけるように見えることから、漢字では「無花果」と表記されます。
いちじくのプチプチとした食感と、道明寺のつぶつぶ感の対比が楽しいお菓子です。
いろいろな栄養成分が交じり合った、いちじくならではの複雑な甘みと、深いコクが見事に生かされた素敵な逸品ですね。
私の実家の庭にもいちじくの木があり、毎年夏には樹上で完熟したもぎたてを食べていたので、生で食べるのが一番と思っていました。
でも、今回のお菓子をいただき、手間暇をかけ成熟された味わいを知り、いちじくに対する概念が変わりましたね。