「紫夜(むらさきよ)」きんとん製:とらや
水羊羹の角切りを芯にして小豆こし餡で包み丸め、そのまわりに紫色にそめたそぼろを植え付けます。さらに、黄色に染めた錦玉羹をさいの目に切り、全体に散らしています。
昭和61年(1986)に初めて創作されました。
とらやさんのパンフレットによると、日がゆっくりと暮れていく京都の町を表したお菓子で、紫のそぼろで宵の口のぼんやりとした空気の色を、錦玉羹で夕闇の町に明かりがともっていくさまを見立てているそうです。
こんな光景が浮かんできます。
とらやさんでは、このお菓子に類似した姉妹品があり、季節に合わせ、そぼろや錦玉羹の色の組み合わせを変えて、様々な風物を描き分けています。
「花氷(はなごおり)」きんとん製:とらや
白いそぼろを氷に、赤い錦玉羹を花に見立て、パーティーの装飾などに用いられる「花氷」を写しています。
「夏の空(なつのそら)」きんとん製:とらや
小豆こし餡のそぼろを夏の夜空に、黄色い錦玉羹をきらめく星座に見立てています。
「打水(うちみず)」きんとん製:とらや
白いそぼろを白い玉砂利に、水色の錦玉羹を水に見立て、「打ち水」を写しています。