「朝露(あさつゆ)」きんとん製:三盛楼
緑色に染めたそぼろを小豆つぶ餡のまわりに植え付け、さいの目に切った錦玉羹を散らし、羊羹製のつばめを配したお菓子です。
そぼろに濡れたような独特の艶と、透明感があるのは、寒天をまぜているためです。
俳句の世界では「露」は秋の季語になっていますが、和菓子においては初夏から夏にかけてしばしば目にする銘です。
露を表現するときによく用いられる錦玉や葛などが夏向きの素材であるのがその理由かもしれません。
このお菓子では、露以外につばめが加わることで、がぜん躍動感が出ていますね。
早起きして早朝から、ひなのためにせっせと餌を運ぶ親つばめかと思いましたが、シルエットが幼い感じなので、巣立ったばかりの子つばめが、飛行練習をしている姿かもしれません。