秋の末から冬の初めごろに、ぱらぱらと降ってはやむ一時的な通り雨のことを時雨(しぐれ)といいます。
「冬しぐれ(ふゆしぐれ)」小豆黄身しぐれ製:笹屋伊織
紅餡を黄身餡で包み、さらにその外側を小豆黄身餡で包み、まるめ蒸し上げます。その上に黄色い羊羹製のいちょう葉を添えたお菓子です。
雨が降る景色や稲妻、雨の後に雲のすき間から差し込む陽光などを、ひび割れで表現したお菓子が「黄身しぐれ」です。
紅葉に見立てた紅餡がしぐれ生地によって覆い隠され、さらにいちょう葉も割れ目に飲み込まれようとしています。
時雨の度に、徐々に秋色が姿を消していく様子を、黄身しぐれで見事に表現した逸品ですね。