店頭で可愛らしい鳥を見つけ、「この鶯をください」と言ったら、「これは鶯ではなく、めじろなんですよ」と女将さんに言われました。
確かに、改めてよく見ると、目のまわりに特徴的な白い輪があります。
「めじろ」煉切製:金米堂本店
黄緑色と緑色にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み茶巾で絞ります。右手指先で押して尾を、反対側を左手でつまむようにしてくちばしをかたどります。目の部分に白い円状の煉切を配し、黒胡麻の目を添え、めじろを写したお菓子です。
めじろは、梅の花の蜜が大好物で、蜜を吸いによくやってきて、うぐいすに間違われそうになります。
しかし、めじろ(目白)は、その名前の通り、目の周りの羽毛が白くなっているので、簡単に見分けがつきます。
羽の色も、普通うぐいす色といわれている色は、めじろの色で、うぐいすは灰色がかった緑褐色で、もっと地味で目立たない色なのです。
お菓子で表現するうぐいすは、いずれも発色の美しいめじろ色で作られるのが暗黙の了解になっています。
今回のお菓子は、正真正銘、めじろを写しているので、堂々とめじろ色を纏わせることができますね。