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「亀屋万年堂」さん

 

今日は、「お菓子のホームラン王・ナボナ」で有名な亀屋万年堂さんを紹介します。 

 

昭和13年に東京・自由が丘で創業し、現在も同地に本店を構える老舗です。

 

 

ここの看板商品「ナボナ」は私と同い年で、昭和38年に誕生しています。

 

「ナボナ」とは、たっぷりのメレンゲを使用したクリームをソフトカステラではさんだブッセのことです。

 

「どら焼きを洋風にしたら美味しいんじゃないか」という発想から生まれたお菓子で、特にそのふわふわの食感は、当時それまでの和菓子にはない斬新な特徴でした。

 

クリームは定番のチーズクリーム、パイナップルクリームの他に、季節ごとにに変わる限定クリームがあります。

 

また、総本店のみで販売しているスペシャルな「プレミアムナボナ」があり、今回はこれを購入しました。

 


 

解説によると「国産のフレッシュバターとオリジナルチーズを贅沢に使用した濃厚なクリームを、自然の飼育のみで育てられた地養卵を使用した生地でサンドした」という最高級ナボナです。

 

質の良い鶏卵の香りとバターの深いコク、チーズの爽やかな酸味がバランスよく構成されたお菓子に仕上がっていました。

 

 

さて、6月に入ると日本各地の清流で次々と鮎釣りが解禁となりますが、亀屋万年堂さんの若あゆも1日から解禁されています。

 


「若あゆ」:亀屋万年堂

しっとりとした食感の調布皮は、生地を仕込み1時間以上落ち着かせてから焼き上げているそうです。

 

この種のお菓子の中身は通常、求肥のみのことが多いのですが、亀屋万年堂さんのは、求肥の中に、北海道産の小豆こし餡が入っているのが特徴です。7月末までの季節限定の和菓子です。

 

 

さてさて、いよいよ本題の上生菓子です。

 

以前は上生菓子も通年販売され、本店のみならず、各支店の店頭にもちゃんと並び、季節ごとに素敵な意匠を楽しませてくれていましたが、最近は残念なことに予約販売のみとなってしまいました。

 

 

主力商品のナボナと比べると、売れない、日持ちしない、作るのが容易でない、取り扱いが簡便でない、利益が少ない、など、ないない尽くしの上生菓子は、このような憂き目にあうことになってしまいました。

 

そこで、今日は今までコレクションした中から思い出深い10品をお届けします。

 

「松(まつ)」きんとん製:亀屋万年堂

 

 

「芽生え(めばえ)」きんとん製:亀屋万年堂

 

 

「野遊び(のあそび)」羊羹製:亀屋万年堂

 

 

「うたかた」煉切製:亀屋万年堂

 

 

「紫陽花(あじさい)」きんとん製:亀屋万年堂

 

 

「あじさい」煉切製:亀屋万年堂

 

 

「清流(せいりゅう)」錦玉製:亀屋万年堂

 

 

「はまなす」煉切製:亀屋万年堂

 

 

「なでしこ」煉切製:亀屋万年堂

 

 

「伊勢菊(いせぎく)」煉切製:亀屋万年堂

 

 

 

どのお菓子も基本に忠実な手堅い作風ですが、松の繊細なそぼろ、紫陽花きんとんの美しい輝き、躍動感あふれる菊の木型など、いずれも忘れ難い逸品ばかりです。

 

いつかまた再び、店頭に上生菓子が並ぶことを期待したいですね。