今日のお菓子のモティーフになったのは、赤富士の愛称で知られる葛飾北斎の《富嶽三十六景 凱風快晴》です。
葛飾北斎の《富嶽三十六景 凱風快晴》
(出典:http://www.yamatane-museum.jp/exh/2016/ukiyoe.html)
浮世絵で富士山と言えば、まず浮かぶのがこの絵ですよね。鱗雲が一面に浮かぶ空を背景に、赤く染まった富士が大胆な構図で描かれています。
シンプルな配色、明快な構成の絵なのでお菓子の意匠としてもイメージしやすそうですが、菊家さんの手でどう生まれ変わるのか、興味津々です。
「赤富士(あかふじ)」きんとん製:菊家
白と緑に継ぎ分けたそぼろを大島餡のまわりに植え付け、羊羹製の富士山を垂直に立て、その山頂に銀箔を散らしたお菓子です。
大島餡とは、黒糖を使った餡のことで、黒糖の産地として有名な奄美大島にちなみこう呼ばれています。
細かな点々で絶妙に描かれた山裾の樹海や、空に群れる鱗雲を、細やかなそぼろの質感で見事に表現しています。
このようにきんとんの上に羊羹製の山を立てる手法は菊家さんの定番ですね!
「雲海(うんかい)」きんとん製:菊家
「花がすみ(はながすみ)」きんとん製:菊家