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和菓子店のバロメーター

「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」薯蕷製:鹿塩 

小豆こし餡入りの薯蕷饅頭に若草色を付け、土筆の焼き印を押しています。 

 

当図鑑のフォロワーである翠園さんからいただいたお菓子ですが、今回、私にとって初対面の和菓子屋さんとなります。 

大和芋の香り豊かな生地は、柔らかさの中にも、もちっとする感触がしっかりとあり、中の上質な餡との相性も抜群でしたね。 

 

薯蕷饅頭が美味しいかどうかは、その和菓子屋さんの技量と実力を測るバロメーターだと言われますが、このお店もなかなかのもの。 

 

「鹿塩(かしお)」さんは埼玉県川口市にある和菓子屋さんですが、ネットで検索しても極端に情報が少なく、まさに隠れた名店というべき貴重なお店を知ることができ、とても幸運でした。 

 

薯蕷饅頭とは、すりおろした大和芋と米粉、砂糖を混ぜた生地で餡を包み蒸し上げるお饅頭です。

 

上生菓子に属し、饅頭の中で最も高級とされるものです。 

 

すった大和芋に粉を練り込む作業が一番難しい工程だそうで、一人前になるまで15年から20年もかかると言われています。 

 

熟練の職人さんになると、生地をたたいた音でこね上がりの状態がわかるそうですよ。

 

小さなお菓子の中に込める職人さんの熱意が、じんわりと伝わってくる逸品でした。