3月3日に向けて、各和菓子店では、雛祭り用の様々なお菓子が販売されていますね。
今日は、赤坂の名店「塩野」さんの素敵な一品をお届けします。
「雛の袖(ひなのそで)」外郎製:塩野
ピンクと水色にぼかし染めた外郎生地を折りたたむようにして黄身餡を包み、雛人形の着物の袖を写したお菓子です。
このように、外郎や求肥などの餅生地を折りたたむようにして餡を包んだ意匠は上生菓子の定番ですね。
色合いを変え、少し手を加えるだけで、いろいろなものを表現できます。
「蝶(ちょう)」外郎製:豊島屋
黄色に染め、丸い目玉模様の焼印をいくつかつけ、折りたためば蝶になります。
「花衣(はなごろも)」求肥製:花ごろも
ピンク色に染め、辺縁をギザギザにして折りたたむと、八重桜になります。
「藤(ふじ)」求肥製:ささま
青紫色にぼかし染め、折りたたむと、美しく咲いた藤の風情になります。
「花菖蒲(はなしょうぶ)」外郎製:東宮
淡い紫にぼかし染め、薄くして中の黄身餡を透かせるように折りたたむと、花菖蒲になります。
「夏の朝(なつのあさ)」外郎製:両口屋是清
辺縁を淡いピンク、中心部を薄緑色にぼかし染め折りたたむと、朝顔になります。
「木枯し(こがらし)」外郎製:鶴屋吉信
黄色に染め折りたたみ、端に少し切れ込みをいれると、銀杏(いちょう)になります。
「秋雀(あきすずめ)」外郎製:菊屋
茶色に染め、厚めの生地でもっさりと折りたたむと、雀になります。
このように、抽象的な表現で、いろいろなものに見立てる楽しさは、上生菓子ならではの醍醐味ですね!