「椿餅(つばきもち)」道明寺製:両口屋是清 (2018年)
道明寺で紅餡を包みまるめ、二枚の椿の葉を上下に合わせたお菓子です。
今年の椿餅は中が美しい紅餡になっていて花をも同時に連想させてくれますね。
桜餅や柏餅、ちまきなど、葉っぱで包む和菓子はたくさんありますが、葉っぱの美しさで言えば、椿餅が一番ではないでしょうか。
その緑色に若々しく輝く椿葉からは、春の陽射しまで感じられるようです。
椿餅は、桜餅や柏餅よりも歴史は古く、日本最古の餅菓子のひとつで、和菓子の始まりともいわれているお菓子です。
奈良・平安時代に、シルクロードを経てもたらされた文物とともに輸入された唐菓子の中に、その名が見られるそうです。
また、『源氏物語』や『宇津保物語』『藻塩草』『空穂物語』などの古典文学の中にも椿餅が登場します。
両口屋是清さんは毎年この時季に椿餅を販売しますが、毎回お餅の生地や餡を変化させ、工夫を凝らして出してくるのが楽しみになっています。