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歌舞伎×和菓子(9)「飛び六法」~成城風月堂~

 

「歌舞伎と和菓子の出会い」コンテストで優秀賞を受けた「成城風月堂」さんの作品を4回連続でお届けしています。 

今回は最後の一品になります。 

 

「勧進帳といえば歌舞伎、歌舞伎といえば飛び六方」といわれるほどの名場面をお菓子で表現しています。 

 

 

「飛び六方(とびろっぽう)」こなし・煉切製:成城風月堂 

白いこなし生地と薄紫色に染めた煉切生地を張り合わせ、長方形にのし、二つ折りにして黄味餡を包んだお菓子です。 

 

煉切の上面には弁慶の衣装にあしらわれている梵字を刷り込み技法で描いています。 

 

(出典:http://blog.livedoor.jp/hannariblog/archives/13967643.html) 

 

弁慶の黒地の水衣に金糸であしらわれている梵字は「カーン」といわれ、干支の「酉」を意味します。「酉」の方向にあたる守護神が「不動明王」ということで、この神のご加護の下、弁慶は義経を守りながら陸奥へ向かいます。 

 

「六方」とは六つの方角、天・地・東・西・南・北へ手足を動かして、花道を渡って引っ込む時の演技です。 

 

その中で、両足を交互にはずませ飛ぶように踏む六方のことを特に「飛び六方」といいます。 

 

『勧進帳』の幕切の「飛び六方」は、先に逃がした義経を追いかける弁慶の急ぎ振りを抽象的に表現した演出で、弁慶役の最大の見せ場です。 

 

 

最後に、成城風月堂さんの4作品をまとめてご覧ください!