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京鹿の子(福島家)

「京鹿の子(きょうかのこ)」煉切製:福島家 

 

日本の伝統文様にはいろいろな種類があり、上生菓子の意匠にもよく使われます。

 

今回のお菓子は幾何学文様(きかがくもんよう)が使われています。 

 

幾何学文様とは、三角形・方形・菱形・多角形・円形などを素材とする文様で、抽象的な印象を与えます。 

 

幾何学文様にもたくさん種類がありますが、このお菓子の模様は、菱形が基本形になっていて、6個の菱形の各頂点が中心となる1点で接し、さらに各頂点から中心点に直線を引いた文様となっています。 

 

と、説明しても、なんだか、数学の図形問題のようでよくわかりませんよね(笑) 

 

百聞は一見に如かず、図で示すとこんな感じです。

 

 

この文様は、形が大麻(たいま)の葉に似ているので、「麻の葉」と呼ばれていて、この模様が連続してつながっているものを「麻の葉つなぎ」といいます。 

 

麻は生長の早い草で、種を蒔いて3ヶ月もすると2メートルを越えるくらいに伸びます。その成長の早さと丈夫さにちなみ、子供の産着の模様として広く用いられてきました。また、成人の着物や襦袢のほか、絣(かすり)織物にも多く使われています。 

 

さらに、建築方面でも、欄間(らんま)、衝立、 引き戸、格子戸などの和風木製建具にも多用されています。

 

 

大麻の葉