「三保の浦(みほのうら)」焼皮製:とらや
小麦粉生地を薄く焼き、折りたたむように小倉餡を包み、表面にほんのりと焼き目をつけたもので、松が点在する浜辺の静けさを写しています。 安永2年(1773) にはじめて創作された歴史あるお菓子です。
一切の虚飾を排し、とことん簡素化、省略化された究極の意匠ですね。
「三保の浦」とは、古くから歌に詠まれた名所で、駿河湾に面した三保半島の西側一帯、つまり、現在の静岡市清水区、清水港の辺りの湾入部およびその海岸を指します。
その中で特に、松林で有名な「三保松原」は、万葉の昔から白砂青松と霊峰富士の眺望の素晴らしさで全国にその名を知られ、たくさんの絵画に描かれたり、多くの歌人・著名人が、「三保松原」を歌枕に作品を残しています。
昨年、世界文化遺産に登録された「富士山」の構成資産として「三保松原」もその中に含まれており、一緒に登録されています。
三保の松原