「君時雨(きみしぐれ)」黄身時雨製:秋色庵大坂家
北海道産の大手亡と大福豆で作った白餡に地卵の卵黄を練り込んで作った黄身餡を蒸し上げたお菓子です。芯に小豆餡を入れず、あえて黄身の優しさだけを味わうのが特徴です。
卵は、ご主人自らが足を運んで探し出した、群馬県前橋市の角田養鶏場で放し飼いにされている地鶏の卵です。
鮮やかな山吹色に芸術的にひび割れた姿は、朝陽に染まり黄金色に輝く朝焼け雲のようにも見えます。
口に入れた瞬間、ホロホロと溶けてゆく滑らかな生地、直後に口いっぱいに広がる濃厚な卵の香り、少し遅れて訪れる品の良い甘さが堪りません。黄身餡のみで、中に何も入れない潔さも粋ですね。
このお菓子は通年販売ですが、秋冬は卵のコクが特に増し、味わいがさらに深くなるので、今まさにおススメの逸品です。
「黄身時雨」の「黄身」は卵の黄身を意味しますが、同じ読み方の他の漢字を当てて、風流に「黄味時雨」とか「君時雨」と書く事もあります。
数ある黄身しぐれのお菓子の中で、今のところ私が一番好きなものが大坂家さんのこのお菓子ですね。