「波の花(なみのはな)」煉切製:森八
黒こし餡を緑と白に染め分けた煉切で包みまるめ、三角べらで波形の凹凸をつくったお菓子です。
この凹凸の形は荒れ狂う波、あるいはデコボコの岩場を表しているとおもわれます。緑色は、冬の日本海の色なのでしょうか?波の花は本当の花ではありませんが、花に見立て、それに対する葉を想定し、緑で表現しているのでしょうか?または、海岸の岩に 生える海藻や岩海苔の緑なのでしょうか?いろいろなイメージがふくらんで楽しいですね。
冬の日本海の風物詩に「波の花」というものがあります。花といっても植物のことではありません。
季節風が強い日、岩に打ち寄せた波が白い泡になって、強風に乗って雪のようにふわふわと舞いあがり、陸(おか)にむかって遠くまで飛んだり、海岸の岩場に降り積もったりします。この泡のことを「波の花」といいます。
能登の冬の風物詩として知られていて、曽々木海岸や仁江海岸付近が多く見られるポイントだそうです。
波の花は、海中に漂う植物性プランクトンの粘液が冬の荒波にもまれて、せっけん状の白い泡を作ったものと言われていて、海が汚染されていると泡が作られにくいとされています。
いずれにせよ、「波の花」とは、素敵なネーミングですよね。
北陸にある老舗和菓子屋「森八」さんにとっては、まさにうってつけの題材です。