冬から春にかけて咲き、その端正な花姿と、清々しい香りで親しまれている水仙が今日のお菓子のテーマです。
100年以上続く東京都文京区の老舗で、かの文豪、夏目漱石も足しげく通ったといわれる「一炉庵」さんの手による逸品です。
「水仙(すいせん)」鹿の子製:一炉庵
緑と白に染め分けた帯状の羊羹を、青えんどうの鹿の子のまわりに巻き付け、煉切製の水仙花を添えたお菓子です。
古代中国では、水辺を好んで繁茂する清らかな植物のことを「水の仙人」と呼び、のちに「水仙」と呼ばれるようになったそうです。
別名は「雪中花(せっちゅうか)」、または銀の台に金杯をのせたような花姿から「金盞銀台(きんせんぎんだい)」という美しい呼び名もあります。
冬の寒さに負けない水仙の生命力にあやかれるよう願いながら、美味しくいただきました。