「小春日和(こはるびより)」煉切製:梅園
茜色に染めた煉切で餡を包み、三角べらで枝を刻み付け、肉桂粉で茶色に着色します。さらに、橙色と黄色にぼかし染めた楓の葉っぱを添え、小春日和の柔らかい日差しに照り輝く紅葉を表現しています。
小春日和(こはるびより)とは、晩秋から初冬にかけて、移動性高気圧に覆われた時などの、穏やかで暖かい天候のことをいいます。
また、小春(こはる)というのは陰暦10月の異称でもあります。
現在の太陽暦では11月に相当し、この頃の陽気が春に似ているため、こう呼ばれるようになったそうです。
陰暦の冬は10月〜12月なので、俳句における「小春日和」・「小春」は冬の季語となっています。
冬に向かってどんどん冷え込んできて、どんより曇った日が続いたり、時折しぐれたり、気分まで塞ぎがちになる初冬のある日、天からの恵のような小春日和は冬の束の間の息抜きになりますね。