「ゆり根きんとん小さな秋（ゆりねきんとんちいさなあき）」きんとん絞製：栗山
長い銘の付いたお菓子ですが、白小豆を使った白餡と百合根を合わせて、茶巾絞りにし、百合根の形を表現しています。
日本人ならだれでも知っている、〈誰かさんが〉で始まる印象的な童謡「ちいさい秋みつけた」にちなんだ一品です。
この歌の３番に〈はぜの葉あかくて入日（いりひ）色〉という一節がありますが、作詞のサトウハチローは、庭のハゼの紅葉を見てこの歌詞を思い付いたそうです。
このお菓子の中に小さく一か所だけある朱色の部分は、このハゼの紅葉を表しているのでしょう。
百合根特有の上品な色あいと、滑らかな舌触りが堪能できる逸品ですね。