「百合根きんとん（ゆりねきんとん）」きんとん製：文銭堂本舗
求肥を芯にした小豆つぶし餡のまわりに、百合根餡のそぼろを植え付け、金箔を添えたお菓子です。 そぼろの一部分がごくわずかに紫色に染められているのが洒落ています。
透き通るような白いきんとんに金箔の輝きは、ホワイトクリスマスのイメージでもあります。
百合根は高級素材で原価がかかることや、下ごしらえに非常に手間がかかるため、百合根を使った上生菓子はとても希少です。
大量生産する大手の和菓子店ではまず見かけません。個人で、こじんまりとやっているような、少し田舎の和菓子店でたまに見つけることがあります。
植えてから１年以内に収穫される食物が多い中、百合根は種球から始めるとなんと６年もの年月を経てようやく収穫できるという、とっても下積みの長い食材なのです。そう考えると、すごく貴重でありがたいお菓子です。
百合根のほくほくとした、淡泊で甘苦いあの独特の風味は、寒い今の季節のなによりの楽しみですね。
