「聖夜(せいや)」村雨・羊羹製:大倉山青柳
小豆色の羊羹地を蒸し村雨ではさんで三層に仕上げた棹物。羊羹地の中に大きめの栗が一粒入っています。雪に見立てた氷餅粉を散らし、柊(ひいらぎ)の葉っぱと赤い実を添え聖夜を表現したお菓子です。
村雨と羊羹で夜の静寂(しじま)を表し、栗の黄色はその中に灯った一点の明かり。その明かりに照らされて柊が浮かび上がって見えます。
北欧では、柊は森に生えているすべての木の中で最も尊い木とされています。
柊の葉の刺(とげ)は、キリストが十字架につけられる前にかぶらされたいばらの冠を象徴しているといいます。
また、柊の赤い実は我々の救いのためにキリストが流した血を、そして緑の葉は永遠の命を表すとされています。
このようにキリストと深いつながりのある柊が、おもいっきり和風な羊羹の上に載せられている様子は何とも不思議な光景ですね。