「リース」きんとん製:手毬
緑色に染めたそぼろを白こし餡の周りに輪状に植え付けます。さらに、煉切製の黄色いベルや紅白の玉を配し、クリスマス・リースを写したお菓子です。
ここまで短い粒のようなそぼろは初めてですね。これをきれいなドーナツ状に植え付けていくのは至難の業でしょう。
華やかな見た目から受けるイメージと異なり、味はとても淡白です。そぼろはさらりと溶けてなくなり、あっさり控えめな餡の甘さがふわりと一瞬口の中をよぎります。冬の陽だまりのようなやさしい味わいでしたね。
「手毬(てまり)」さんは、2003年創業の鎌倉の創作和菓子店です。
オーナーであり創作和菓子作家の御園井裕芙子(みそのいゆうこ)氏はちょっと異色な経歴の持ち主です。
会社勤めや小学校教諭、司会業など様々な仕事を経て、和菓子の道へと進んだ方です。
現在、新作や季節の和菓子を発表する作品展を開くと同時に、多くの人に和菓子の美しさと美味しさを紹介するため、アメリカ、フランス、ドイツなど世界各地でワークショップを開催しています。
また、老舗温泉旅館や有名ホテルの技術指導を行ったり、和菓子教室開催、テレビ出演、雑誌掲載など幅広く活躍されています。
手毬さんは店舗は持たず、すべて予約のみの販売で、大使館や有名企業からの特注依頼も多く手掛けています。
一般の方がここのお菓子を求めるのは敷居が高そうですが、曜日限定で、そごう横浜店や西武池袋本店で買うことができるのです。