「雪囲い(ゆきがこい)」煉切製:そえ田
薯蕷煉切を薄く平らにのばし織部風の緑を付け、雪囲いを彫り込んだ木型で押し、小豆こし餡と栗の蜜漬けを巻き包んだお菓子です。
雪囲いとは、雪害を防ぐための冬場の囲いのことです。
豪雪地域では、家屋を守るために家の周りを柱や板などで囲います。また、畑や庭の植物、樹木を守るために、こもや藁縄などで囲います。
美味しそうな栗がお菓子の雪囲いで大切に包まれていますね。
雪囲いはその機能性ばかりでなく、美観の点でも優れています。
放射状に広がる雪吊りの繊細な美しさや、竹などを円錐型、合掌型、棚型に組み上げた芸術的な幾何学模様は和菓子の意匠に取り入れられています。
このような身の回りの何気ないものから美的要素を見つけ出し、お菓子の中に見事に組み込む職人さんの創意には感心しきりです。