「春の雪(はるのゆき)」 こなし製:鶴屋吉信
小豆こなしと亜麻色に染めたこなし生地を張り合わせ、長方形にのし、千筋をつけます。さらに、雪の結晶の型を押し、二つ折りにし、小豆こし餡を包んだお菓子です。
立春を過ぎてから降る雪のことを「春の雪」といい、春の季語になっています。
冬の雪と違って溶けやすく、降るそばから消えてしまうことから、「はかなさ」をも連想しますね。オフホワイトというか、アイボリーというか、真っ白でないこなし生地の絶妙な色は、積もることなく、溶けてすぐに土に同化してしまう淡雪のイメージにぴったりです。
また、菓銘からは、春の明るい日差しまで浮かんでくるようで「希望」の兆しも感じられますね。