「初雪（はつゆき）」雪平・羊羹製：大倉山青柳
純白の雪平生地で餡を包みまるめます。その上に淡い水色の円盤状の羊羹をのせ、表面に焼き印で雪の結晶を描き、金箔を散らしたお菓子です。
透明感のあるガラス細工のような繊細な作品ですね。よく見ると、羊羹生地の中に何気なく気泡を仕込ませているのも心憎い演出です。
ピンと張りつめた極寒の地の静謐な空気を感じます。
雪の結晶は、地上からずっと高い雲の中でできた微細な結晶の卵が、ゆっくりと落下しながら周りの水蒸気により成長したものです。
その形は、 樹枝状、六角形、十二角形、星状、扇形、角柱状、針状、鼓（つづみ）形など実に様々な種類があります。
どんな形になるかは、上空の温度や水蒸気の量によって決まるそうです。
針のようなタイプは温度の高いときに、六角形の樹枝状タイプは低温で水蒸気が多い時に構成されやすいようです。
雪の結晶も上生菓子も、どちらも二つとしてまったく同じものはできないことから、それぞれが特別な物として心惹かれるものがあるのでしょうね。
