「たきぎ」求肥製:坂根屋
白こし餡を求肥生地で包み丸め、周りにたきぎに見立てた桃山製の棒をまぶし、氷餅を散らしたお菓子です。
秋の間に刈り集めた田舎家の薪(たきぎ)に新雪が舞い降りる様を表現しています。
私が幼少の頃は、薪でお風呂を焚いていたので実家の軒下にはいつも薪や柴が積んであった記憶があります。
父は泥まみれ、埃まみれ、汗だくになる仕事をしていたので、帰ってきたら一番にお風呂に入れるよう、夕方になると母がせっせと焚き口で準備をしていました。
薪を見ると、くべたときのあの独特の煙の香りがよみがえってくるようです。何とも切なく心をくすぐられる匂いですね。
「お湯どうな〜?」「もうちょっと焚いてくれ〜」などと声を掛け合っていたシーンも、お菓子を食べながら懐かしく思い出されました。