「藪柑子(やぶこうじ)」こなし製:両口屋是清
緑と白にぼかし染めたこなしで餡を包み茶巾絞り仕立てにし、その上に紅羊羹製の実を配したお菓子です。
藪柑子は冬に実る艶やかな赤い実が印象的な植物です。
雪中の白さの中では、葉の緑と実の赤のコントラストがさらに引き立ちます。
藪柑子は、和歌の世界では、古くから歌の題材となっており、万葉集では山橘(やまたちばな)として詠まれています。
このお菓子の風情にぴったりな一首を添えて。
この雪の消残る時にいざ行かな山橘の実を照るも見む 大伴家持
(この雪が消えてしまわぬうちに、さあ早く山へ行こう。藪柑子の赤い実が雪の間か ら美しく照り輝いている姿を見るために)
(出典:http://miyakanken.co.jp/uploads/File/14.pdf)