「浮寝鳥(うきねどり)」雪平製:つ久し
雪平生地の一部を水色に染め、白あんを包み、白鳥が水に浮いたまま眠っている姿を写したお菓子です。
ごく一部分だけほのかに染めた淡青色がとてもよく生きていますね。凍てつくような冬の空気感や湖水の冷たさが伝わって来るようです。
中学生の頃、美術教師が白を際立たせるには、ほんの少しだけ青を混ぜるといいと言っていましたが、確かに、白鳥の白さもより強調されています。
鴨(かも)や雁(かり)、白鳥、ゆりかもめ、鴛鴦(おしどり)など、冬に水辺に生息する鳥を総称して「水鳥」といいます。
その中で、水に浮いたまま眠る水鳥を「浮寝鳥」といい、冬の季語になっています。
川や湖沼などの水上で、ぷかりぷかりと浮かびながら気持ちよさそうに眠っている姿を見ると、緩やかな時間の流れを感じますね。厳しい冬の寒さも忘れるほど見いってしまいます。
何かとせわしい師走ですが、このようなお菓子を食べて、たまにはゆったりした時間を過ごしたいものですね。