「初霜(はつしも)」桃山製:高林堂
棒状に作った桃山生地を焼き、栗餡を芯にしてそのまわりに貼り付け、まきの束に見立てます。さらに、煉切製の紅葉を添え、上に氷餅を散らし霜を表現したお菓子です。
冬支度でそろそろ必要になった薪(たきぎ)に、うっすらと霜が降りたさまを写した逸品です。
桃山とは白餡に卵黄や寒梅粉、水飴などを加えた焼き物で、焼き色を強くつけて粗朶(そだ)の質感をうまくだしていますね。
冷気によって冴え冴えと磨き上げられた冬の朝、冷然と輝く霜を見ると身が引き締まる思いがします。
今年見る初めての霜は、厳しい冬の訪れを知らせてくれる天からの便りですね。