「薮柑子(やぶこうじ)」煉切製:一炉庵
抹茶煉切に白餡を合わせぼかし染めた生地で小豆こし餡を包み、藪柑子をかたどった木型で押し抜き、羊羹製の赤い実を添えたお菓子です。
つややかな緑の葉に鮮やかな赤い実がなる薮柑子は、草木が枯れ果てた山林の木陰の中で生き生きとした姿を見せます。
晩秋から冬にかけて熟す赤いしずくのような実が、お菓子で生き生きと描かれていますね。
古くは山橘(やまたちばな)とも呼ばれ、『万葉集』にも詠まれています。
千両や万両と同じように、緑の葉に赤い実をつけるので、十両とも呼ばれています。 いずれも赤い実をつける常緑樹で、金運に恵まれ、商売繁盛の御利益があるといわれ、正月の縁起木として使われます。