「薄氷(うすごおり)」羊羹製:豊島屋
小豆煉り羊羹の上に灰青色に染めた薄い羊羹をのせます。さらにその上に、亀裂を刻んだ白いこなし生地をのせ、薄氷を写したお菓子です。
氷のひびの割れ方が2015年製と異なっているのが面白いですね。
(上が2015年製、下が2017年製)
薄氷(うすごおり/うすらい)とは、春浅いころ、水たまりや池、沼、水田などに薄く張った氷、あるいは、解け残った薄い氷のことをいい、初春の季語になっています。
NHKの俳句講座によると、江戸時代は、薄氷(はくひょう)と読み冬の季語でしたが、高浜虚子が「うすらい/うすごおり」と読ませ、早春の季語となったそうです。
このところ気温の変化が激しいですね。比較的暖かい日が何日か続き、このまま春へ移行しそうな陽気で、もう氷も張ることが無いだろうと思っていると、突然寒さがぶり返し、薄い氷が張ることがあります。
寒暖を繰り返しながらも、一歩一歩着実に春へと近づいていく感覚を楽しみながらいただきたい逸品ですね。