「初氷(はつごおり)」鹿の子製:一炉庵
求肥を芯にした白小豆の鹿の子の上に三角形に切った半透明の羊羹と煉切製の落葉をのせ、今年初めて張った氷を写したお菓子です。
木枯らしが吹き始め、気温が氷点下に下がると、池のあちこちに氷が張り始めます。まだ水が透けて見えそうに薄い氷です。
ところどころに亀裂が入ったり、膨張して割れ、破片が盛り上がったり、そんな冬ならではの情景をお菓子で見事に表していますね。
他にもいろいろな氷の表現があります。
「薄氷(はくひょう)」チョコレート羊羹製:寿々木
「初氷(はつごおり)」煉切製:森八
「薄氷(うすらい)」琥珀製:俵屋吉富
「初氷(はつごおり)」求肥製:坂根屋
「薄氷(うすごおり)」羊羹製:豊島屋
「薄氷」は「うすごおり」だけでなく、「うすらい」「はくひょう」など、お菓子のイメージにあわせて、いろいろな読み方ができるのも日本ならではの感性ですね。
こうして、みてみると、氷は割れてこそ氷らしいということがわかります。