「万両(まんりょう)」きんとん製:豊島屋
緑色に染めたそぼろを小豆つぶし餡のまわりに植え付け、羊羹製の赤い玉を添えたお菓子です。
とてもシンプルなお菓子ですが、見る角度によって刻々と変わる表情の変化が楽しめます。
赤い玉が目と口のようにも見えます。
三つの赤い玉それぞれの距離がくっついたり離れたりして、まるで動いているよう。
断面はこんな感じです。
中にぎゅっと閉じ込められた色濃いつぶし餡がとても美味しそうに見えます。
お正月が近づくと「千両(せんりょう)」、「万両(まんりょう)」「藪柑子(やぶこうじ)」などの縁起木を店先でよく見かけるようになりますね。
いずれも赤い実をつける常緑樹で、金運に恵まれ、商売繁盛の御利益があるといわれています。
江戸時代の通貨単位「1両」は現在の価値で行くと約10万円くらいだそうなので、万両は10億円、千両は1億円に相当します。
一番額の大きい万両が一番人気かと思いきや、実際は千両の方が人気のようですね。
理由は、万両は葉の下側に隠れるように地味に実をつけるのに対し、千両は葉の上に華やかに実をつけるので、より好まれているようです。