「万両(まんりょう)」きんとん製:栗山
白と緑色に染め分けたそぼろで餡を包み込み、煉切製の真っ赤な実と葉っぱをのせ、さらに雪に見立てた氷餅を散らしたお菓子です。
「栗山グリーン」と、私が勝手に呼んでいますが、このお店の緑色はとても爽やかかで、独特の鮮やかさがあります。この緑色をみるだけで、栗山製とわかりますね。
さて、お正月が近づくと「千両(せんりょう)」、「万両(まんりょう)」などの縁起木を店先でよく見かけるようになります。
さらに、標準和名ではありませんが、カラタチバナは百両、ヤブコウジは十両、アリドオシは一両とも言われ、一両から万両まで十倍ごとの単位で5種類のラインナップがあります。
いずれも赤い実をつける常緑樹で、金運に恵まれ、商売繁盛の御利益があるといわれています。
「百両金」の中国名を持つカラタチバナよりも大型であることから千両といわれるようになりました。
また、万両の実は垂れ下がり、千両は上向きにつくので、万両の実は千両の実より重い、との発想から万両の名になったといわれています。
百両は万両、千両よりもやや小型で、さらに小柄な十両。額が少なくなるにつれて草丈も小さくなります。
江戸時代の通貨単位「1両」は現在の価値で行くと約10万円くらいだそうですから、万両は10億円、千両は1億円相当!
一番額の大きい万両が一番人気かと思いますが、実際は千両の方が人気。
理由は、万両は葉の下側に隠れるように地味に実をつけるので、葉の上に華やかに実をつける千両の方が好まれるようです。
他に、万両と千両の違いは、葉っぱの付き方。千両は対生(1つの茎の節に、葉が左右に対称につく)に付き、 万両は互生(茎に互い違いに)に付きます。
実の数は、千両より万両の方がより沢山実が付きます。 千両は葉の上の方に実をつけるので鳥に食べられやすく、万両は葉の下に実をつけるので食べられにくく、その分、実がしっかり残るためといわれています。
万両、百両、十両は、薮柑子(やぶこうじ)科。千両は千両(せんりょう)科。一両はアカネ科。