「紅葉狩(もみじがり)」求肥製:福壽堂秀信
橙色に染めた求肥で餡を包み、その表面に紅色、黄色、緑色の三色のみじん粉を散らし紅葉を表現したお菓子です。
面・点・色彩のみで抽象的に紅葉を表現した現代アートのような作品です。
ところで、「紅葉狩り」は、実際に葉っぱを採取するわけでもないのに、なぜ「狩り」というのでしょう?
昔の「狩り」は獣を捕獲して食べ物を確保するための生活の手段でした。
やがて時が経ち、狩猟の意味での「狩り」をしない貴族が現れ、草花や自然をめでることを洒落て「狩り」と表現したという説があります。
現代では「紅葉狩り」はありますが、お花見のことは「桜狩り」とはいいません。でも、昔の和歌には「桜狩り」という言葉も使われているのです。
桜狩り 霞の下に今日くれぬ 一夜宿かせ 春の山もり
(藤原定家)