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歌枕にちなんだお菓子(竜田川)

 

歌枕(うたまくら)とは、和歌の題材とされた日本の名所旧跡のことをさしていいます。貴族に親しまれてきた地名や崇敬される神社仏閣の地、歴史的な事件のあった場所などがあります。

 

菓銘の題材としても重要で、よく使われる有名な歌枕に次なようなものがあります。

 

「小倉山(おぐらやま)」(京都の嵐山北西の山で紅葉の名所) 

「広沢池(ひろさわのいけ)」(京都の嵯峨にある池で月見の名所) 

「嵯峨/嵯峨野(さがの)」(京都の桂川の東沿岸あたりで平安貴族の別荘地) 

「高雄/高尾(たかお)」(京都市右京区の山で紅葉の名所) 

「竜田/竜田川(たつたがわ)」(奈良県の川で紅葉の名所) 

「吉野(よしの)」(奈良県南部一体の地名で桜の名所) 

 

この中から、今日は「竜田/竜田川(龍田川)」にちなんだ上生菓子を集めてみました。

 

 

「竜田川(たつたがわ)」雪平製:村上 

 

 

「竜田川(たつたがわ)」小倉製:しげた

 

 

「竜田(たつた)」煉切製:森八 

 

 

「竜田(たつた)」煉切製:ちもと

 

 

「竜田川(たつたがわ)」浮島製:ふくさや

 

 

「竜田川(たつたがわ)」煉切製:森八

 

 

「竜田川(たつたがわ)」鹿の子製:文銭堂本舗

 

 

「竜田川(たつたがわ)」軽羹・羊羹製:両口屋是清

 

 

「龍田川(たつたがわ)」外郎製:成城風月堂

 

 

 

同じ主題のお菓子でも、お店によってまったくデザインが異なるのが興味深いですね。

 

村上製は、白と紅のコントラストが鮮やかで、水の表現が絶妙。 

しげた製は、細かいパーツを多用した緻密な表現が秀逸。 

森八製は、大胆にデフォルメされた単純明快な作品。 

ちもと製は、鎌倉彫を思わせる木型が素晴らしい逸品。 

ふくさや製は、棹物の断面の層模様で描いた紅葉の世界が見事。

森八製は、やさしい水色と渦巻き状の水紋の型が印象的。

文銭堂本舗製は、小田巻で作った麺状の煉切で描く水流が魅力的。

両口屋是清製は、異なる素材の合わせ技がうまく決まった佳作。

成城風月堂製は、すっきりまとめられたシンプルな構図が新鮮。

 

 

竜田川の紅葉