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唐錦四趣

「唐錦(からにしき)」煉切製:文銭堂本舗 

緑色、黄色、紅色に染め分けた黄味煉切で小豆こし餡を包み、茶巾絞り仕立てにしたお菓子です。 常緑樹を緑、色づく木々を黄色と紅色で表現しています。 

 

 

緑・黄・紅の三色煉切を茶巾絞りにして紅葉の風景を写すこの手法は定番中の定番で、いろいろな和菓子店から類似のものが出ています。 

 

 

「唐錦(からにしき)」煉切製: 蜂の家 

 

 

「唐錦(からにしき)」煉切製: 松むら 

 

 

「唐三彩(とうさんさい)」煉切製:雅庵 

 

 

 

同じ菓銘、同じ手法、同じ趣向の上生菓子でも、作り手によって微妙に異なる色合いや風合いを楽しめます。

 

 

唐錦とは中国の絹織物のことです。 

 

紀元前3000年頃、中国ではすでに蚕(かいこ)の繭(まゆ)から絹糸を紡ぎ出し、絹織物を製造する技術を持っていました。 

 

この技術は門外不出とされていて、その特別な糸で織った絹織物は大人気で、同じ重さの金と交換されるほど貴重なものだったといいます。 

 

中国以外の国では絹の製法がわからず、非常に古い時代から絹織物は中国にとって独占販売できる重要な交易品で、インドやペルシア方面に輸出されていました。これがシルクロードの始まりとなったわけです。 

 

「唐錦」は秋の見事な紅葉の景色を、中国の華麗な絹織物の美しさに見立てて命名したものです。