「竹の露・くるみ(たけのつゆ・くるみ)」錦玉製:竹林堂本舗
小豆の煉り羊羹を台にして、その上にクルミを贅沢に敷き詰め、錦玉で固めた棹物です。
竹林堂本舗は、1773年創業の富山の老舗です。
クルミを使った和菓子は珍しくはありませんが、錦玉の中に散らしているものは今回初めて見ましたね。
こんなにも豪快にクルミを使うのは、日本一のクルミの産地、長野県がお隣にあるからでしょうか?
自然が生んだクルミの魅力的なかたちを透明な錦玉の中に入れると、まるでショーケースに飾られた芸術作品のように特別なものに見えてきます。
竹から滾々と滴る水滴のように清らかな錦玉と、食べ応えのある下層の羊羹の味のバランスも絶妙です。
クルミのサクサクした歯応え、木の実特有の香ばしさとほのかな苦味、オイルの深い旨みなど、クルミの良い所を錦玉と羊羹の両者がうまく引き出しています。
中国の伝統医学では、「形が似ているものはその臓器を治療する効果がある」という考え方があります。
例えば、蓮(はす)の蕾が心臓の形に似ていることから、どうきや息切れなどに有効だとか、腎臓の形に似た小豆は腎臓病に効くと言われています。
脳の形に似たクルミは、脳の働きを活性化するそうですので、このお菓子は美味しい上に、頭も良くなり、認知症の予防にもなるというまさに理想的な和菓子ですね。