「銀杏(ぎんなん)」外郎製:末広庵
黄色く染めた外郎生地で白こし餡を包みまるめ、その上にギンナンに見立てたうぐいす豆を数個のせ、さらにその上に煉切製のイチョウの黄葉を添えています。
うぐいす豆の代わりに、本物のギンナンの蜜煮を使うと、さらに野趣あふれる希少なお菓子になるかもしれませんね。
イチョウもギンナンも漢字で書くと、どちらも「銀杏」と書き、まぎらわしいので、ここではカタカナで表記することにします。
ギンナンはイチョウの木の実のことで、秋の風味がいっぱいに詰まった人気の食材です。
しかし、食べられる状態にするまでが厄介で、強烈な匂いを放つ黄色の柔らかい果肉を取り除くのにとても手間がかかります。
地中に埋めたり、水に浸けたりして腐らせ、何度も洗い流して、さらに天日干しし、ようやくきれいな白い殻のギンナンになるのです。
殻ごと焼いたり、殻から翡翠色の実を取り出し、炊き込みご飯にしたり、茶わん蒸しに入れたりと、深まる秋の味覚を思う存分堪能したいですね。