「吹寄せ(ふきよせ)」煉切製:一炉庵
橙色と黄色にぼかし染めた煉切で小豆こし餡をつつみ、風に吹き寄せられた落ち葉を描いた木型で押し抜いたお菓子です。散り落ち朽ち果ててゆく葉っぱの最後の煌めきを、金箔が表しているように見えます。
楓(かえで)やイチョウをはじめとするいろいろな落葉樹の葉の形が石畳のようにきれいに散り敷かれていますね。
「ふきよせ(吹き寄せ)」とは、さまざまな木の葉や木の実が風でひとところに吹き寄せられるさまをいいます。
そこから転じて、和菓子の世界では、紅葉した楓、黄色のイチョウ、緑の松葉、褐色の松笠、灰色のしめじ、白いぎんなんの実など、様々な色形のものを干菓子でつくり、取り混ぜたものも「吹き寄せ」と呼ばれています。