「イチョウ」羊羹製:梅園
求肥の角切りを芯にして小豆つぶ餡で餡玉を作り、その周りを囲うように羊羹シートで巻きます。その上に、大納言小豆やマローファットピースの蜜漬けをのせ、煉切製のイチョウ葉や枝を添えたお菓子です。
地面に散り敷かれたイチョウ葉やギンナンの実を、吹き寄せのような趣向で表現しているのが楽しいですね。
いろいろな豆がぎっしり詰まった、豆好きにはたまらない逸品です。
マローファットピースとは、海外種の青えんどうのことです。
国産のえんどうは生産量が少ないため、グリーンピースやフライドビーンズなどにはこうした海外種がよく使われています。
以前には、ライマ豆と呼ばれるアンデス産のいんげん豆の一種を使った羊羹を見かけたことがあります。
国産の原材料にこだわって作るべき高級和菓子においても、海外種の素材をつかったものを最近、時折、目にするようになりました。
天候による不作、後継者不足による離農、安い輸入品の台頭など、いろいろな要因があると思いますが、地域の原材料を活用し、様々な銘菓を育んできた和菓子文化をなんとか守っていきたいものです。